失恋ショコラ【短】
心臓が今にも胸を突き破ってしまうのでは無いかと思う程、バクバクと激しく鳴っている。


篠原の端正な顔。


絡み付くような視線。


そして、手首から全身に広がっていく熱。


あたしの体を熱くさせる要素があり過ぎて、とっくに平常心なんて失ってしまっていた。


「せ、先生……。あ、の、退いて、下さい……」


それでも何とか訴えたあたしに対して、篠原が返して来たのは綺麗な笑顔。


切れ長の瞳が緩やかに細められたあまりにも美しい表情に、思わず息を呑んで静止してしまう。


その一瞬の間に、あたしの唇は篠原の唇によって塞がれていた。


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