失恋ショコラ【短】
「じょっ、冗談にも程がありますっ……!」


精一杯睨んで告げてみても篠原が顔色一つ変えないのは、たぶんその声が震えていたから…。


「そんな顔もするんだな」


満足げな表情の彼が、また顔を近付けて来る。


「ほっ、本当にやめて下さいっ!!これ以上やるなら、編集長に言いますよ!?」


咄嗟に口をついて出た言葉に、篠原が一瞬だけ驚いたような顔をして動きを止めた。


だけど…


「……どうぞご自由に。まぁこれから俺にされる事を、お前が口に出来るとは思わねぇけどな」


彼は涼しげな表情で言い放って、すぐにまた口元を緩めて笑った。


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