失恋ショコラ【短】
睨み続けるあたしに、篠原が何かを諦めたような顔をした。


「あのな……原稿渡したら、お前は次の打ち合わせまで来なくなるだろうが。そしたら、またしばらく会えなく……」


「当たり前じゃないですか!あたしは、先生の専属じゃないんですよ!」


「おい、ちょっと待……」


「会社に戻ったら、他にもやらなきゃいけない仕事だっていっぱいあるんですから!」


「いや、だからな……」


「大体、先生は作家としては一流で素晴らしい方かもしれませんが、人としては本当にどうかと思います!」


悔し紛れに篠原の言葉を遮り続けると、彼はまたため息をついた。


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