失恋ショコラ【短】
篠原がベッドルームを出て行った後、シーツを纏ってコソコソとリビングに行った。


そこで最初に視界に入って来たのは、服やチョコの残骸で乱れた黒いレザーソファー。


ふと、気を失ったあたしをベッドに運ぶ篠原の姿が脳裏に浮かんで、何となく居た堪れない気持ちになってしまう。


それでもソファーを直視しないようにして、床に落ちていたシャツを拾った。


だけど…


「嘘……」


チョコやココアパウダーで汚れ切ったそれを見た瞬間、あたしは愕然としながら呟いてしまった。


さっきの篠原の『無理だと思うけど』は、きっとこう言う意味だったのだろう…。


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