失恋ショコラ【短】
「先生っ!!」


ドアを乱暴に開けて叫ぶと、パソコンに向かっていた篠原が顔を上げた。


「何だ、全部着たのかよ……。俺としては、シャツだけ着た姿が……」


「原稿を下さいっ!!」


「……お前はそればっかりだな」


「それが仕事なんですっ!!」


今にも掴み掛かる程の勢いで食い下がっていると、篠原は原稿を持って立ち上がった。


「わかったよ……と言いたい所だけど、その前に俺の事を呼んでみろ」


意味のわからない要望に眉を寄せながらも、原稿の為にそれを飲む。


「先生!」


すると、篠原がガクリと肩を落とした。


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