男装少女はアイドル①【完】
…さすが空。
さっきまでの空気が嘘のような発言。
これも空のいいところであり、悪いところだ。
「…そう言えばまだ正式にファン達に言ってなかった。」
空に言われて気づいた。
「あ、そのことで実はな。明後日ライブがあるんだ。」
「初耳なんだけど?新ちゃん。」
あ……黒くなった…。
「何で言わんかったん!?」
「当然だろ。サプライズだったし?」
今言っちゃったんだからサプライズにならない…。
『…バカだったんだね。新って。』
さっきまで泣きそうな顔だったのに彼女は呆れるように笑った。