男装少女はアイドル①【完】
<翔目線>

屋上から帰って来たら拓哉が寝てた。

メガネから長い睫が覗いていて、「メガネ邪魔じゃないかな?」

……なんて思って、メガネを外した。


寝顔がさっきよりはっきり分かってとても可愛く思った。

同時にせっかく可愛いのになんで隠してるのかと――。


少し考え事をしていた空が口を開いた。

「疲れてるんじゃない?ほら、俺達拓哉を振り回してたしさ……。」


ばつが悪そうに眉を下げる。


「あー…確かに…。」

拓哉を散々振り回したのは事実だし…。


「ごめんね…拓哉。」


規則正しい呼吸をして静かに眠る拓哉の頭を撫でながら

小さく謝った。


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