男装少女はアイドル①【完】
初ライブ
ドキドキと高鳴る鼓動は逆に緊張させた。
ステージの裏から少し覗いてみると予想を遥かに超えた観客達が居た。
なんでこんなに観客が居るんだよ!
緊張ほぐれないじゃん!!なんて心の中で叫んでいると
ポンッと肩に手を置かれ、心臓が止まるかと思った。
「そんなに緊張しなくても。」
観客多いのに緊張しないって逆にどんなんだ。
『大丈夫です。』
と、強がって嘘を言ってしまった。
「手ぇ震えてっけど?」
新はいたずらっ子のように笑う。マジうぜぇです。はい。
「それは新を殴りたいからだと思うよ?」
翔は新の耳を引っ張って、
あたしと彼の距離約10cmを1mにしてくれた。