失恋をした君と私の恋
1章 恋をした。
◎君に恋をした
☆奈々side
2月。
私達中学3年生は受験を迎え
今日、前期試験の結果を迎えた
わかっていた。
テストを受けた日から。
あんなに勉強したのに…
「やっぱり…ない。」
志望校の校舎の前
壁に貼られた紙には、
たくさんの数字。
そこに私の受験番号はなかった。
「行きたかったなぁ…。」
周りは受かった人達同士が
喜びあっている。
落ちたのは私だけなんじゃないか。
それ程の孤独感があった。
涙が自然と溢れだす。
「なぁ、」
そんな私の隣で
1人の男が話しかけてきた。
「え…?」
隣の男は私の手をとると、
手のひらに何かをのせて握らせた。
「まだ後期があるじゃねーか」
隣にいた男は、そう言うと
ニカっと笑って立ち去った。
私の手には、黄色のあめ玉
私の恋の始まりだった。