失恋をした君と私の恋
「奈々っ一緒に帰ろう?」
中学の時を考えると
今こうして平和な毎日が
あるのが信じられない。
奈々は、本当に裏表がない
まっすぐで素直で…。
こんな子、絶対いない。
「沙羅っ♪うん!帰ろっ」
「ねぇ奈々、私いつも
涼太と敬斗と帰ってるの。
これから奈々も一緒に帰ろ?」
「 えっ?いいの!?♪」
素直で元気な奈々が好き。
「沙羅~帰るぞー、」
タイミング良く涼太が呼んだ。
「 帰ろっ♪」
「 うんっ」
奈々をつれて2人に
駆け寄った。
「お、宮田さんも仲間入りかっ」
そう涼太が言って歩き出す。
「沙羅、今日ピアノだろ?」
「えっ?うん。」
話しかけてきたのは敬斗。
黒髪が特徴的で、
ちょっと怖い印象を与える目
でも全部がいい感じに整い
いわゆるイケメンである。
「急がなくていいのか?」
「うん。今日は時間違うの」
「あぁ、なら大丈夫か。」
そう言いすこし笑った敬斗に
私はドキっとした。
そう…私は敬斗が好き。
「行くぞっ」
そう言い敬斗は私の手をひく
「小さい時の約束なんて…」
「あ?なんか言ったか?」
「んーん、言ってない…」
ねぇ、敬斗。
小さい時の約束覚えてる?
―「大きくなったら結婚な!」
―「うん!大好き!敬ちゃん!」
大好きだよ…敬斗…――