失恋をした君と私の恋
3章 叶わない。
◎叶わない。
☆奈々side
「んー♪楽しかったぁー」
私は両手を上げて伸びる
夕日が綺麗に空に上がる。
4人の影が隣に並ぶ。
「こんなに笑ったのは
久しぶりだわっ♪」
私の隣で沙羅が笑った。
わいわいと4人で話しながら
歩いていると目の前に2本道
私の家は左方向だけど、
3人は右方向…。
「じゃあ、また明日ねーん♪」
私は軽く手をふった
「おい!」
「えっ?なに?」
私を呼んだのは須賀くん。
「送るよ。」
そう言い、須賀くんは
私の手をひいた。
困った私を見て沙羅は
ウインクしてから
志賀くんと帰っていった。
「ほら、行くぞ?」
「あ、うん」
いつの間にか離された手に
寂しさと悲しさを感じた。
Y路通りを左に曲がって
進んだところすぐに私の家。
すぐ着いちゃうから、
須賀くんといられたのも
ほんの数分だった。
「ごめんね、ありがとお♪」
「気にすんなって」
「もう真っ暗だよー、
気おつけてね?須賀くん。」
「俺は大丈夫だっつーの、
てか、涼太でいーよ。」
須賀くんはニカっと笑って
「俺も奈々って呼ぶからさ」
と付け加えた。
「うん。じゃあ涼太、
きおつけてっ♪ばいばい」
「だから大丈夫だっつーの、
また明日なーっ」
須賀くん…じゃなくてっ///
涼太は手を振りながら
走って帰っていった。
涼太…と、
呼べるようになった今日も
また特別な1日になった。