失恋をした君と私の恋
☆奈々side
キーンコーンカーンコーン
「行くぞっ奈々」
授業が終わり、
帰りのホームルーム終了の
チャイムが鳴った時
涼太が私に駆け寄った。
行く所は、もちろん
志賀くんのお見舞い。
沙羅はきっと私のことを
考えて提案したんだと思う
涼太の後ろをついていった。
下駄箱で靴を履き替えた時
「おいっ涼太!」
クラスの男子が話しかけた
「なに?」
「お前担任が探してたぞ」
「は?」
それだけ言って、
男子は走り去った。
隣で涼太は
「そういえば…」
と何か思い出していた。
「行ってきなよーっ」
私は本当は
一緒に行きたい気持ちを
押し殺した。
「あーうん。悪いな、
後で行くから先行ってて」
それだけ言って
涼太は走り去った。
私は笑顔で手を振って
学校を出た。