失恋をした君と私の恋
☆沙羅side
私は教室にいる。
ピアノなんて嘘…。
他クラスの女子に
昨日呼ばれて待っているの。
「もしもし、敬斗?」
私は電話をした。
相手は、敬斗。
「多分もうそろそろ2人が
着くと思うんだ、
お見舞い行くって朝…」
私が用件を伝えた時
廊下から女子の声が聞こえた
「それだけなのっじゃあね!」
プープープー、、、
敬斗は、すぐ心配するし
涼太や奈々にも
迷惑をかけたくない。
だから敬斗に聞かれないよう
電話を急いで切った。
「井上ってあんた?」
携帯をポケットにいれ
振り返ると4人の女の先輩
「幼なじみだから何?」
「べたべた近づくなっつーの」
先輩達は次々と
言いたいことを言う。
「自惚れんなよ?
涼太くんと敬斗くんが
あんたなんか
好きなわけないでしょ?」
「そうそう、」
……好きなわけない。
そんなことわかってるわよ。
あんたに言われなくても。
「言われなくても分かってます」
「は?」
「振り向いて貰えないこと…
言われなくても……ぐすっ」
「は?何泣いてんだよ」
先輩の怖さに
泣いたんじゃない
【振り向いて貰えない】
そんな分かっていたことを
自分で、気づかないふりして
逃げていたから。
伝えたくっても伝えられない
自分の弱さが悔しかった
涙が止まらなかった。
そんな時
「おい!?何してんだよ!!?」
1人の聞き慣れた声がした