失恋をした君と私の恋
☆涼太side
「は!?何だよ…これ。」
俺は先生に呼ばれてたから
奈々を先に行かせた。
担任との話しを、
すばやく済ませ今、帰るとこ。
でも目に入ってきたのは
驚きのもの。
沙羅の下駄箱には、沙羅の靴
そんなの当たり前だ。
でも、その靴は濡れている。
俺の頭には1つの予感。
「もしかして…」
中学の時、沙羅は
女子から睨まれていた。
俺らといたから……。
高校では、こんなこと無い
そう勝手に思っていた。
「おい!?何してんだよ!!?」
俺の声で振り向いた女子は
顔を青くして帰っていった
「沙羅!!お前…。」
俺は沙羅に駆け寄った
沙羅は泣いていた。
中学の時は、毎日かって程
呼びだされていた…。
でも沙羅は
泣いたことなんてなかった。
ぎゅっ
俺は沙羅を抱きしめた。
「りょ…涼太?」
沙羅は驚きを表している。
「なぁ、沙羅。
俺…沙羅を守りたい。」
俺は沙羅を俺から離した
すると沙羅は
「いつも助けてくれてるよ?」
と、にっこり微笑んだ。
違う。そんなんじゃねぇ。
俺は…、
話を続けようとすると
沙羅は、「帰ろ?」と言って
俺に背を向けた。
「沙羅…。」
俺が小さな声で呼ぶと、
「ん?」と答えた沙羅。
でも背を向けたまま。
俺は駆け寄った。
そして沙羅の腕をひいた。
「きゃっ!」
沙羅は振り向いたと同時に
バランスを崩して
俺に倒れ込んだ。
すぽっと俺の胸に
埋まった沙羅を抱きしめた。
「沙羅…好きだ。」