失恋をした君と私の恋
5章 失恋のその先。


◎失恋のその先


☆沙羅side


「お見舞いにきたの…。」

敬斗のお見舞いにきた。

敬斗は私を見て驚いている。
扉を開けてから、「沙羅!?」と
驚いていたもの。
それも、そのはず。
泣きじゃくる私が、
お見舞いに来たなんて…。
誰が考えてもおかしい。

「とりあえず入れば?」

敬斗は、そう言うと
私の手を自分の方に引き
扉をしめた。

「何か飲み物とか持ってくから
俺の部屋で待ってて」

敬斗は私の返事も聞かず
キッチンの方に向かった。
私は敬斗の部屋に入る。

「何やってんだろ…。」

敬斗は風邪ひいてるのに…。
私が看病とか、色々して
助けてあげなきゃなのに…。
迷惑ばかりかけて…。

「気にすんなよ?」

いつ入ってきたのか敬斗は
扉を閉めながら言った。

「俺の迷惑になる。とか
私はいつも…。とか。
沙羅は考えすぎなんだよ。
聞くくらいなら
俺だってできるからな?
とりあえず…あれだ。
泣きたい時は…………」


敬斗が話し終わる前に、
私は敬斗に抱きついた。
【泣きたい時は泣け。】
敬斗はいつも言ってくれる
その言葉が嬉しかった。


私はしばらく敬斗の側で
泣いていた。
敬斗は、何も言わず
ただ静かに側にいてくれた。



「ごめんねっ。」

「おう。もう平気か?」

私は大丈夫と言ってから
立ち上がる。

「こんな時間だし、帰るね」

「家隣だけどな」

敬斗は笑ってくれた。

「あ、これ敬斗に。
私お見舞いに来たんだからっ」

そう強気で言う
「じゃあね」
私は笑顔で敬斗の家を出た。

敬斗の家を出て、
真っ正面に見えるのが
涼太の家。

涼太からの告白。
嬉しかったし、驚いた。

でもね…。
やっぱり私は、敬斗が好き。

私は携帯を開いた…―。

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