失恋をした君と私の恋
☆涼太side
「あー楽しかったぁ~♪」
学校の前の公園。
ベンチに座る俺達。
隣には、両手をあげて
のびている奈々。
「奈々ボウリング下手だよな」
俺が笑いながら言うと
奈々は「ちょっと~」と
言ってから微笑んだ。
「涼太…。」
「あ?」
「………何かあったよね?」
「えっ、」
さすがに驚いた。
誰も気づかない程、
俺はいつも通りに接した
なのに奈々は気づいていた。
「俺さ、好きな人いるんだ」
誰にも言わないつもりだった
でも、奈々になら…。
勝手にそんな気がしていた。
「いや、好きなのか?
なんつーか、沙羅みてると
守ってやりたいっつーか」
べらべらと語り続ける俺。
奈々は何も言わない。
俺は不思議に思い奈々を見た
「奈々…?」
奈々は俺の顔を見ていた。
その目には今にも
こぼれてしまいそうな涙
「あっ!えっ?いや…」
あきらかに動揺していて、
手で涙を拭ってから
笑顔で「いつから好きなの?」
と問いかけてきた。
その笑顔は
いつもの笑顔じゃなかった。
「いや…わかんねぇんだ。
ちっちゃい頃から一緒だろ?
だからいつからかなんて
わかんねぇんだよ。」
「そう…。」
「まぁ、ふられたからな。
いつからかなんて、もう
意味がねぇんだけどさっ。」
「え?あ…伝えたんだ…。」
「おう。昨日メールでな」
そう言って俺は奈々に
携帯を差し出した。
「ありがとー。」
奈々は俺に携帯を返す
俺は振られたのに、
なぜか涙とかもねぇし
悲しいとかも無かった。
それよりも、
なんで奈々が元気ねぇのか
それだけが気になっていた。
「奈々…」
「帰ろっか。」
俺が話しかけたと同時に
奈々は立ち上がって言った
結局、俺は
奈々に何に悩んでたのか
なんて聞くこと出来なかった