失恋をした君と私の恋
6章 君が好き。
◎君が好き
☆涼太side
最近、同じ夢ばかり見る
悲しそうな顔をした奈々。
俺は何もできずに
「元気だせ」なんて言ってて
そして奈々は笑う。
無理矢理つくったあの笑顔で。
「奈っ…々……」
ガバッと起き上がる。
「また夢か~っ」
ベットからおりて
学校の準備をする。
「いってきまーす」
家を出てしばらく歩くと
いつものY路地で
沙羅だけがいた。
「おはよう、涼太」
沙羅は俺に気付くなり
そう言った。
「はよ。2人は?」
「先に行った。
奈々が2人になりたいって」
「奈々が!?」
「うん」
奈々が敬斗と2人…。
やけにモヤモヤした。
「涼太、私思うんだけど…
涼太は私のこと好きじゃないよ?」
「は?」
歩きだした途端に
沙羅が言った。
さぁーと風が吹いて
沙羅は髪を耳にかけた。
「涼太さ、小さな時から
私のこと守ってくれてたでしょ?
女子から囲まれてる私を見て
一目散に走って来てくれて…
」
「それが何だよ?」
俺がそう言うと、
沙羅は俺の前に立って言った
「それと一緒!
私のことを守りたい
ってゆう気持ちだけなの
そこに恋愛感情は無いわよ?」
「恋愛感情は…無い」
「そう。守りたいだけが
好きになる理由だとしたら
他にもいるでしょ?私以上が♪」
そう言った沙羅は
ニコっと微笑んでから
「自分の気持ちは
自分にしか分かりませんよ!」
と言いながら、
走って先に行ってしまった。
沙羅以上に守りたい人…。
「そっか……。」
俺はまた歩きだした。