失恋をした君と私の恋


☆涼太side


やっと気付いた。

俺は、沙羅以上に
……奈々を想っていたんだ。

いつからなんてわかんねぇ。

でも、奈々が泣くとこを
見たくねぇんだ。

「うぅ…~」

俺の後ろで泣く奈々


バタンっ

俺が向かったのは屋上だった

「ほらっ奈々!
空めっちゃ綺麗だぜ?」

なんとなく奈々は
空とか好きな気がしたんだ
綺麗な空みて、
笑顔になって欲しかった。

「ははっ…綺麗っ」

隣にいる奈々は微笑んだ。

「奈々…。」

「んっ?」

奈々は袖で涙を拭いながら
俺の方を向いた。

「俺…奈々が好きだ。」

「えっ…。」

やっと気付いたんだ。
本当の気持ち。

奈々を守りたいし、
笑顔にしたい。
泣かせたくない。
好きなんだ。

「えっ!?」
気付くと奈々は隣で
尋常じゃない程
涙を流していた。

「奈々!?どうした!?」

「涼太……」

「何っ!?てか、どうし…た」

言葉が詰まったのは、
奈々が抱きついてきたから。

「涼太だいすき~っ」

俺の腕の中で、
泣きながらそう言っている。

「え!?……え!?」

「私はずっと好きだったの!」

奈々はそう言って
頬を軽く膨らませていた。

「ははっやった!」

俺は奈々を抱きしめる腕に
また更に強く力を入れた。

「痛い~」

奈々はそう言っていた。

この上ない喜びを感じた。

「涼太っ」

「あ?」

「空!綺麗だねっ!」

「またかよっ」


青く澄み渡った空の下で
俺達はキスをした。

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