失恋をした君と私の恋
2章 青い空の下で。
◎青い空の下で
入学してから一週間が経った
あの人とは今だ話せずにいる
私のことを覚えていなかったら
そんな不安があるから。
私は黄色のあめ玉を
手のひらにのせて、
ふぅ…とため息をついた。
「ため息なんかついて…
何かあったの?」
「沙羅…。」
入学式のあの日から
何かと話しの合う沙羅と
いつも一緒にいた。
そんな中で自然と
沙羅と呼ぶようになった。
「奈々は元気が取り柄よ?」
もちろん沙羅も
私を奈々と呼ぶようになった
「ん~、ちょっとねー。」
「……恋でしょ?」
何かと鋭い沙羅。
何も言ってないのに
当てられてしまった。
「まぁねー。」
隠すことも無いかなと思い
私は素直に答えた。
「あそこにいる人にね、
この飴をもらったの。
お礼いいたいけど…。」
「覚えてなかったら
どうしようって悩んでるの?」
「うん。」
私が言い終わる前に
話しの全てがわかった沙羅。
そんな沙羅は 覚えてるよ。
と、少しだけチラっと
須賀くんを見てから言った。
まるで須賀くんを
知っているような自信を持ち。
「そうだと嬉しいけどなぁ。」
特にその自信に触れるとこもなく
私は返事をした。
「そうそう♪
今日のお昼は屋上に行かない?」
笑顔で聞いてきた沙羅は
「行ってみたいの♪」
と、窓から見える屋上を見た
一緒に見えた綺麗な空
悪い気はしなかったから
「うん。」と返事をした。
「じゃあ行こう♪」
と沙羅が立ち上がる。
そんな沙羅の後を私も
追いかけるように立つ。
お昼休みの今。
須賀くんは1人の男子と
楽しそうに話していた。
お弁当をもって歩きだす私。
ふいに須賀くんが
こっちを向いた。
ドキっ
でも私は須賀くんとは
目が合わない。
須賀くんが見ている方に
目を向けてみる。
そこには、
私の方を向いて 早くっ
と言っている…沙羅がいた。
見なきゃ良かった。
そう思いながら私は
沙羅へと駆け寄った。