籠の中の君は
それから、何回か男子と絡んでいるところを
先輩に見られた。
その度に先輩は
「さっきの男の子たちは?」
って聞いてくる。
私は放っておいて大丈夫?だと勝手に捉えてしまっていたから
いつも
『大丈夫!』
って答えてた。
先輩の目が段々狂気に包まれていってるのを知らずに。
いつも同じ質問。
いつも同じ回答。
そんな日々が何ヶ月か続いた日。
先輩は学校の屋上のフェンスの向こう側に立っていた。