金星ロマンス


「ふー間に合ったー」
「おーい綾子ー間に合ってないぞー」

担任のきょーこちゃんに軽く突っ込まれたところでやっと席につく。

「遅刻魔綾子だおはよー」
「おはよー尻軽優子!」

前の前の席の優子にけなされたのでわたしも優子に言ってやったよ。

そしたら優子の美しい顔がひきつった。あぁ綺麗なお顔が台無しね。


「篠澤おはよー」
「あ、おはよ浅尾」

隣の席の男の子と恋の予感!!なーんてあり得まい。
理由は2つある。

「聴いてよ篠澤ー!イエローホットチリペッパーズに新曲できたんだって。篠澤には特別に聴かしてあげるよ耳だして」

「えーわたしイエチリ興味ないもんー」


1つめは、わたしがキャピキャピできないせいかくだから。きゃー目ぇ合っちゃったみたいなのができない。





2つ目は。



「今日も里枝ちゃんと登校してきたの?」
「うん、そうだよー」


この隣の席の男の子は、大事な大事な、里枝ちゃんという可愛い彼女がいるのだ。
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