私のかえる場所

「紗緒は夏休みから一人暮らし始めるんだろ。
作れるのかー?」

「これでもオムライスのバイトで
作ってるもーん。
お母さんに習って家でも作ってるし
大丈夫だし!」

「まぢかー!
食べてみてぇな。」

「今度作りに行ってあげるよ!」

「まぢで!?
約束な!やった!」

私たちはまだ付き合ってはいない。
でもそれも時間の問題だろう。
亮からの好きって気持ちがわかる。
どんどん私を好きになれ。
私を満たすためにどんどん溺れろ。

私たち以外いない神社では
すずめの声と風の音だけが聞こえる。
暖かい匂いのする風は
春を感じさせる。
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