私のかえる場所

私はこのとき感じた
温かさを胸の奥にしまい込んで
リストカットを受け入れた
亮を自分の側に置いておこうと決めた。

それから毎日の連絡のやりとりは
変わらないまま
何もない日々が続いた。

4月25日
私たちは京都駅でデートをしていた。

京都タワーから夜景を眺め、
駅のスカイウェイを歩き、
実家暮らしの私は帰る時間が近づいていた。

「そろそろ帰らないと。
電車の時間調べるね。」

「早いなー。もっと一緒にいたいのに。」

「また遊ぼう。」

「うん、ご飯作ってくれる約束忘れんなよ。」

「忘れないよ。」
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