絡む指 強引な誘い 背には壁 Ⅱ
『あるよ(笑)。あるけど、もうちょっとそっとしといて? よーなったら帰るし』
「……ユーリさんは元気なんですか?」
『うん、元気やけど、今は連絡もできんし……、探さんといてな』
「……何で?」
『そんな心配せんでもええから……またひょろっと帰ってくるから……』
「ええ?? 何してるんですか!?」
「ちょっと貸して」
先ほどから視線は十分に気づいていたが、ついにレイジがその携帯を取り上げた。
「もしもし……ああ……うん………。
まあ、お前のことだから、大丈夫だと思ってるけど、また連絡しろよな。うん……、まあ、それでもいいよ。多分今言ったって覚えられないだろうし。……うん、うん、うん……。
うん、うん、じゃあな」
なんと電話は彼の手によって切られてしまう。
「何て!?」
「うんまあ、駆け落ちみたいなもんじゃないかな。とりあえずはそっとしとこう。仕事も調整してみるし」
「…………」
「大丈夫ですか?」
隣で立ち尽くしながらも、聞いてくれたのは、真籐。
「ああ……うん……。大丈夫だけど……。駆け落ち……」
香月は、今まで想像もしなかったユーリのプライベートな事実についていけず、ただ言葉を失った。
「ショックだった?」
レイジは携帯をこちらに戻しながら言う。
「うーん、そうかなあ、私の知らないユーリさんがいたなんて」
「プッ、そりゃいるよ(笑)」
「……、……私の知らないところで彼女なんかいたんだ……」
「そこ!?」
レイジも真籐も笑っている。
「まあまあ、元気そうだったし、大丈夫だと思うよ。またそのうち連絡してくるよ。それより仕事の穴埋めが大変だけどね……」
「ほんと……」
それ以上の言葉が見つからなくて、全員黙ってしまう。
「まあよかった、愛ちゃんに連絡してみてよかったよ。こんなに早く解決するとは思わなかった。警察行こうか考えながら走ってきたからね」
「そうだったんですか……。いや、私なんか全然気づかなくて……ねえ」
「そうですね。いつも部屋にいるものとばかり(笑)」
真籐も苦笑している。
「家だとそんな気配ないんだ(笑)」
「うん、私、全然気にしてない」
「いい家族だなあ」
本気なのかどうなのか、レイジは笑った。
「……ユーリさんは元気なんですか?」
『うん、元気やけど、今は連絡もできんし……、探さんといてな』
「……何で?」
『そんな心配せんでもええから……またひょろっと帰ってくるから……』
「ええ?? 何してるんですか!?」
「ちょっと貸して」
先ほどから視線は十分に気づいていたが、ついにレイジがその携帯を取り上げた。
「もしもし……ああ……うん………。
まあ、お前のことだから、大丈夫だと思ってるけど、また連絡しろよな。うん……、まあ、それでもいいよ。多分今言ったって覚えられないだろうし。……うん、うん、うん……。
うん、うん、じゃあな」
なんと電話は彼の手によって切られてしまう。
「何て!?」
「うんまあ、駆け落ちみたいなもんじゃないかな。とりあえずはそっとしとこう。仕事も調整してみるし」
「…………」
「大丈夫ですか?」
隣で立ち尽くしながらも、聞いてくれたのは、真籐。
「ああ……うん……。大丈夫だけど……。駆け落ち……」
香月は、今まで想像もしなかったユーリのプライベートな事実についていけず、ただ言葉を失った。
「ショックだった?」
レイジは携帯をこちらに戻しながら言う。
「うーん、そうかなあ、私の知らないユーリさんがいたなんて」
「プッ、そりゃいるよ(笑)」
「……、……私の知らないところで彼女なんかいたんだ……」
「そこ!?」
レイジも真籐も笑っている。
「まあまあ、元気そうだったし、大丈夫だと思うよ。またそのうち連絡してくるよ。それより仕事の穴埋めが大変だけどね……」
「ほんと……」
それ以上の言葉が見つからなくて、全員黙ってしまう。
「まあよかった、愛ちゃんに連絡してみてよかったよ。こんなに早く解決するとは思わなかった。警察行こうか考えながら走ってきたからね」
「そうだったんですか……。いや、私なんか全然気づかなくて……ねえ」
「そうですね。いつも部屋にいるものとばかり(笑)」
真籐も苦笑している。
「家だとそんな気配ないんだ(笑)」
「うん、私、全然気にしてない」
「いい家族だなあ」
本気なのかどうなのか、レイジは笑った。