絡む指 強引な誘い 背には壁 Ⅱ
年だ、年のせいにしようと、息を切らせて店長室を開けると、こりゃまた困った、さっきのシカト男だ。
だからって私はそんな子供じゃない。
相手が挨拶をしないのは自由だが、こっちが挨拶をするのは礼儀だ。
「菜月さんですね、おはようございます、香月です。よろしくおねがいします」
いやもうたとえシカトだって構わないのよ、私はその資料さえもらえれば!
菜月は今から持っていこうとしている資料をものすごいスピードで捲っていた。何か探している記事でもあるのか?
「あの、すみません、その資料を香西店長に持って来いと言われたんですけど……」
「朝礼はもう始まってるよな?」
「えっともう始まります」
奴はさっとパイプ椅子から立ち上がると、最後の一ページを捲ってしまい、さっと前に出した。
「無駄なことが多いな。読む時間が無駄だ」
えっ、って、私に言われても(怒)。
「えーあー……」
こちらの意見も聞かずに彼はドアから出て行ってしまう。
一時呆然としたが、はっと思い出し、資料を3冊掴むと、慌てて部屋から飛び出した。
途中彼を追い越す。しかし構うもんか、どうせ奴は朝礼にも出ないし、接客にもむいてない!
「はいどうぞ」
息を切らしながら香西に、資料を手渡す。
「菜月君は?」
「今来てます」
「走るように言って」
え――――――、私がぁ!?
仕方ない。香月は回れ右をするともう一度来た道を走り始めた。
丁度フロアから廊下に出る前に、彼とばったり会う。
「あのっ、香西店長が走れって……」
「何で?」
いや、なんでって言われたって、あんたが遅れてるからでしょーが!
「いやあの……」
ほうら始まった。背後でおはようございますの挨拶が始まった。
「え、いや、あ……」
と、説明する前に、歩いていた2人は香西の前に着いてしまう。
「……」
はい、連れてきましたよ、の一言でも言ってやりたい気分だったが、もちろん無言。
香西は菜月を一瞥しただけで、菜月は列の端、つまり香月の前に並んだ。背は180くらいか……178?少し離れたところに寺山が見えた。あの人は確か180超えてたっけ?
だからって私はそんな子供じゃない。
相手が挨拶をしないのは自由だが、こっちが挨拶をするのは礼儀だ。
「菜月さんですね、おはようございます、香月です。よろしくおねがいします」
いやもうたとえシカトだって構わないのよ、私はその資料さえもらえれば!
菜月は今から持っていこうとしている資料をものすごいスピードで捲っていた。何か探している記事でもあるのか?
「あの、すみません、その資料を香西店長に持って来いと言われたんですけど……」
「朝礼はもう始まってるよな?」
「えっともう始まります」
奴はさっとパイプ椅子から立ち上がると、最後の一ページを捲ってしまい、さっと前に出した。
「無駄なことが多いな。読む時間が無駄だ」
えっ、って、私に言われても(怒)。
「えーあー……」
こちらの意見も聞かずに彼はドアから出て行ってしまう。
一時呆然としたが、はっと思い出し、資料を3冊掴むと、慌てて部屋から飛び出した。
途中彼を追い越す。しかし構うもんか、どうせ奴は朝礼にも出ないし、接客にもむいてない!
「はいどうぞ」
息を切らしながら香西に、資料を手渡す。
「菜月君は?」
「今来てます」
「走るように言って」
え――――――、私がぁ!?
仕方ない。香月は回れ右をするともう一度来た道を走り始めた。
丁度フロアから廊下に出る前に、彼とばったり会う。
「あのっ、香西店長が走れって……」
「何で?」
いや、なんでって言われたって、あんたが遅れてるからでしょーが!
「いやあの……」
ほうら始まった。背後でおはようございますの挨拶が始まった。
「え、いや、あ……」
と、説明する前に、歩いていた2人は香西の前に着いてしまう。
「……」
はい、連れてきましたよ、の一言でも言ってやりたい気分だったが、もちろん無言。
香西は菜月を一瞥しただけで、菜月は列の端、つまり香月の前に並んだ。背は180くらいか……178?少し離れたところに寺山が見えた。あの人は確か180超えてたっけ?