絡む指 強引な誘い 背には壁 Ⅱ
『そうだな……』
「それで、この一週間くらいだけ有給を使わせてほしいんです……」
『ああ、分かった』
「一週間休みとってても、出社できるようになったらすぐします」
『そうか……、分かった。見直してみる』
 そしてその一時間後、
『明日からとりあえず一週間休みにしたから』
 との、宮下らしい優しい声に、香月と西野は陽太を前に、にっこりと微笑んだ。
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