夢の途中

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「くあ〜」



新撰組で槍使いである原田左之助は稽古が終わり屯所の廊下をたらたらと歩いていた。



原田は長身で一見爽やかな男性に見られるが、本当は情に熱く男らしい人なのだ。なかなか顔も整っており、現代だとスポーツマンっぽい男だ。





「原田先生、お疲れ様です!」




欠伸をしながら歩いていれば、前からさっきまで稽古をしていた1人の隊員が駆け寄ってきた。





「おう、お疲れ」



「あ、そう言えば聞きましたか?」



「ん?なんかあったのか?」



「俺もさっき聞いたんですけど、どうやら入隊希望があったらしいんですよ」



「この時期にか…?」





この時期に入隊希望なんて…、珍しい。



本来なら二月前(ふたつきまえ)に募集し終えて、いま全員稽古を受けているはずなのだが。




余程腕がたつ奴なのか?





――まあでも…面白そうだな。








すると、そこに永倉新八が手拭いを肩にかけながら歩いてきた。原田は永倉に気づいて手を上げた。





「よっ、ぱっつあん。なんかこの時期に入隊希望とかいう奴が来たらしいぜ」



「マジかよ、スゲー奴なのか?」




永倉も突然そんな話を聞かされて心底驚いた表情をした。しかし、すぐにニヤリと笑って手拭いを肩からとって振り回した。





「んじゃ、ちょっくら見に行くか」




「ああ」






大柄の男2人は肩を並べ、道場へとまた戻っていった。






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