夢の途中
横にいる永倉も原田と同じ反応し、総司こと剣の天才沖田総司を見た。しかし、指名された本人はどうやら楽しみらしくニコニコ笑っている。
何考えているんだ、あの女。どう考えても総司が勝つに決まってる。
「アイツお前のこと知ってて指名したのか?」
「んー…、近藤さんの話によれば、彼女異人さんなのに何も躊躇いせず僕の名前を出したみたいなんですよ。知ってたんですかね?」
「そうか、………って異人!?」
原田と永倉は目を真ん丸くして驚いた。次から次へと色々よくでてくるもんだ、と原田はため息をついた。
普段使わない頭を使っていると、ではまた後でと言って沖田は近藤たちのいるところへ向かった。
「…なあ、左之」
「あ?」
「アイツと総司…どっちが勝つと思う?」
永倉はさっきから黙って沖田とあの小娘を見ていると思ったらいきなり原田に尋ねた。
原田は何言ってんだ、と思いながらも考える。しかし、どう考えても総司が勝つだろうとしか思わなかった。
「総司だろ」
「そうか…」
一瞬真面目な顔をしたが、直ぐにいつもの顔に戻ってへらへらと笑っていた。
――変な奴