魔法の国
「え、僕、間違ったことしたかな?」
「いや、他にないの?『はじめまして』とか『よろしく』とか」
「…君には必要ない」
…はぁぁあ?
なんなんだこいつ
「あ、ごめん。気を悪くさせちゃったね。そういう意味じゃないんだ」
ええ気を悪くさせましたよ!!
てかそういう意味じゃないってだったらどういう意味よ!!
「…第一に君と僕は初対面ではない。だから『はじめまして』はいらない」
「第二、僕と君とは親しい関係にある。だから『よろしく』もいらない」
「…は?意味わかんない意味わかんない!!第一に私は貴方を知らない!!第二に私は貴方を知らないのに親しい関係にある訳ない!!」
はあはあ…といきなり大声を出したせいか息切れをする
「ほんとに知らないと言い切れる?」
こいつはさっきから突拍子もないことを聞いてくる
「言い切れるに決ま「本当に?」
そこまで聞かれると自信がなくなってくる
「まず君が僕を知ってるって証明してあげる」
「君の誕生日は?」
「…」
「君の年齢は?」
「…」
「君の両親は?」
「…」
「ほら、何も答えられない」
「…だから、何よ」
「つまり君はほとんどのことを覚えていない。じゃあ僕のことを忘れていても可笑しくはない。だから僕を知らないとは言い切れない」
「でも、知ってるとも言い切れ「僕は君を知ってる」
「その証拠に君の知らない君のことを教えてあげる」
「君の名前はショコラ」
「誕生日は3月14日」
「年齢は15歳。いや、今日で16歳か」
「両親は母親のみ。父親は交通事故で死んだ」
「…どう?」
この、鷹次の言っていることが本当にそうなのかはわからない
でも、嘘は言っていない気がする
…でも
鷹次の言っていることが本当なら
私はなぜここにいるの?