2年3組乙女事情
「ねぇ、花柄のジャージってあるかな?」
「え!?くるみちゃん、それはないよ。絶対」
「そっかぁ。くるみ、花柄好きだからその方がやる気でるかもって思ったんだけど……」
「あ!じゃあ、タオルを可愛い花柄にしてみるのは?」
くるっと顔を向けてそう言った実涼ちゃんは、最強に可愛い。
「良いかもっ!やっぱり、実涼ちゃんとは服の趣味合うよねー!」
にっこり笑ってそう言うと、実涼ちゃんも笑ってくれた。
「待ってろー! 青春っ!」
右手をギュッと握って、真上に付き上げる。
他に人がいない住宅街に、くるみの声が響く。
拳の先に見えた青空が、途轍もなく眩しかった。
何年か後には、この空を、絶対にもっと堂々としたくるみになって見てあげるんだからっ!
カメリア女子学院高校
2年3組10番、根尾くるみ!
人生初のスポーツとダイエット、そして……
掛け替えのない青春を、ここに誓います!
~10番 根尾くるみ END~