2年3組乙女事情
あたしは、また声を上げた。
しかも、果歩ちゃんとそろったせいでうるさかったのか、周りの人が迷惑そうにあたし達を見てきて……
わかりやすいくらいのその視線に、申し訳なくなって首をすくめた。
……ここのお店に割とよく来るあたし達には、見慣れた光景なんだけどね。
「果歩ちゃんは決めてる? 進路」
「うーん、あんまり。
とりあえず、今の成績と、大学の場所を照らし合わせて考えるかな」
「じゃあ、まだまだこれからって感じ?」
「うん。そうなるかな。とりあえず、文学系を見てみようとは思ってるけどね」
そう軽く言ってから、果歩ちゃんはまたオレンジジュースを口に運んだ。
しっかりしてる瑛梨奈ちゃんは、きっとちゃんと考えてるんだろうなって思ってた。
でも、どっちかって言うと性格があたしに近い果歩ちゃんまで大学探しの方向性を考えてるなんて……。
大学どころか、学部のことさえも何にも考えてなかったあたしは
問題外ってことかなぁ?
少しだけ感じたすかすかする気持ちをごまかそうとして、ストローをくわえた。
でも、メロンソーダのポップさは
何となくだけどあたしを笑ってるみたいで気持ち悪かった。