2年3組乙女事情
12番 日比谷祐貴
「ねぇ、何で人は感動するんだと思う?」
「は?」
進路調査の提出も終わった、9月の半ば。
まだまだ暑い、中庭のベンチ。
お昼ご飯を食べている時に、隣に座るありすがいきなり口を開いた。
「どうしたの? いきなり……」
「いきなりじゃないんだよねぇ、それが」
少し考え込むように芝生を見つめながら、ありすが言う。
口にいちごみるくのストローを加えるこの子が、可愛くて仕方がない。
あたしは、リア女の2年3組で、12番の日比谷祐貴[ひびやゆき]。
隣にいるのは、同じクラスで昔からの友達の雨宮ありす。
今までは、学校では知らない子のフリをしてたけど
最近よく委員長と一緒にいるありすを見てたら、何かもやもやして……
こうやって、人気のないところにありすが1人でいる時は、学校でも話し掛けるようになった。
……もしかしてあたし、ヤキモチだった?
今だに、みんながいる前で話せないあたしの臆病さには、自分でも呆れるくらいだけど。
それでも何も言わないで、普通にあたしに答えてくれるありすが
あたしはやっぱり好きだ。
「は?」
進路調査の提出も終わった、9月の半ば。
まだまだ暑い、中庭のベンチ。
お昼ご飯を食べている時に、隣に座るありすがいきなり口を開いた。
「どうしたの? いきなり……」
「いきなりじゃないんだよねぇ、それが」
少し考え込むように芝生を見つめながら、ありすが言う。
口にいちごみるくのストローを加えるこの子が、可愛くて仕方がない。
あたしは、リア女の2年3組で、12番の日比谷祐貴[ひびやゆき]。
隣にいるのは、同じクラスで昔からの友達の雨宮ありす。
今までは、学校では知らない子のフリをしてたけど
最近よく委員長と一緒にいるありすを見てたら、何かもやもやして……
こうやって、人気のないところにありすが1人でいる時は、学校でも話し掛けるようになった。
……もしかしてあたし、ヤキモチだった?
今だに、みんながいる前で話せないあたしの臆病さには、自分でも呆れるくらいだけど。
それでも何も言わないで、普通にあたしに答えてくれるありすが
あたしはやっぱり好きだ。