2年3組乙女事情
確か、夏休みが終わる頃からだ。
「1番安いプランだけど」
そう照れたみたいに話すありすは、やっぱり可愛かった。
昔から可愛い子だったことには間違いないし、お洒落にも気を遣う子だったけど
最近ありすは、前よりもさらっとした笑顔をたくさん見せてくれるようになったから……――――
どんな反応をしてくれるんだろう。
そう思いながらぼーっとしていると
ケータイ片手にこっちを呆れたように見るありすが目に入った。
何となく小さくピースをしたあたしを見て、小さく溜息を落としている。
ありすは視線をパステルピンクのケータイに戻すと、滑らかに手を動かした。
ありすがケータイを鞄に滑り込ませるのと同時に、あたしのケータイが震える。
「良い考えだと思ったんだけどなぁ……」