2年3組乙女事情
言うまでもなく、カズは頭がいい。



そして言うまでもなく、あたしはカズと違って頭が悪い。




さすがにカズだって、何も学年で1ケタ……みたいなではないらしいけど。



でもあたしと比べたら、天国の天井と地獄の床下くらいの差があることは間違いない。



実際、あたしなんかは授業の復習をしててもこの状態。



あたしは、決して授業中に居眠りをしてたから、「西文氏」が読めないわけじゃない。


ちゃらちゃら遊んでるから、「東漢氏」が読めないわけでもない。


真面目授業も聞いてたし、こうやってしっかりと勉強してる。



それなのに、できない。



でも、あんなに遊んでそうな雨宮ありすは、学年1位……。



本当に、世の中って不平等だって思う。




「あぁー、もう終わりっ!復習とか疲れちゃった!」


「佐奈、いいの?やらなくて。できないんでしょ?」



少し眉間にしわを寄せながら言うカズに、いらっとする。



「いいの!リア女は宿題をやってれば大丈夫っていうカリキュラムになってるんだもん!
自主的な復習ならここでやめても問題ナシ」


「はぁ……。本当にいいんだね?」


「いいの、いいの!
ほら、カズも、宿題終わったんでしょ?ゲームしよっ」



呆れたような表情を見せるカズを無理矢理引っ張って、あたしはゲーム機を準備した。
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