2年3組乙女事情
「でも、それだって一応、あたしのためを思ってやってくれてることじゃない?
そう思ったら、断るのが申し訳ないなって……」
舞花は、あたしの方を見て小さく笑った。
「そうやって周り大人のご機嫌を気にしてばっかりなのよ、あたし。
今は、ご機嫌取りのためだけに行動するのはやめようって、自分の考えもちゃんと表に出そうって思ってるんだけどね」
「そうだったんだ……」
舞花が何不自由なく暮らしてるなんて、軽々しく考えちゃって申し訳なかったな……。
ただ単に、何となく勇気が出なくて自分の言いたいことを伝えられないあたしと
周りの大人の人達のことを考えて、自分の言いたいことも我慢してた舞花。
どっちが“大人”かって言ったら、舞花の方に決まってる。
七瀬はよく、あたしのことを周りのことを気遣える人だって言ってくれてるけど……
それはきっと、七瀬なりの励ましでしかないんじゃないかな?
やっぱりあたしのは、ただ勇気がなくて、弱いだけだからだと思うから。
「リハビリになるんじゃない?」
「え?」