2年3組乙女事情
「あ、佐奈。ちょっと喉乾いたんだけど、何かある?」
一緒にゲームを始めてから少したった頃、カズがテレビ画面を見たまま言った。
「あぁ……ごめん。さっき飲んだお茶で最後。葉っぱがなくなっちゃって……。
牛乳ならあるけど、カズは牛乳飲めないし。
一緒にコンビニでも行く?」
「うん。ありがと。わざわざ悪いね」
ゲームを適当なところで切り上げたあたし達は、お財布とケータイだけを持って外へ出た。
暑くもなく、寒くもない。
明るくもなく、暗くもない。
そんな微妙な夕方の道を、カズと2人で歩く。
コンビニまでは約5分。
そんな短い時間だけど、2人で制服姿で歩くのは、何だかくすぐったくて、甘酸っぱいような、……上手く言えないけど、とにかく幸せな感じがした。