2年3組乙女事情
「お疲れーっ! 面白い話できたー?」



次の日。


文芸部の部室に入ったあたしは、真っ先に部長に話しかけた。



昨日はあんまり気にしなかったけど、今部室には、部長と杉野さんしかいない。


他の部員は来ないのかな……?



「……1日でできるわけないでしょ、そんなの」


「えぇー!部長のくせに情けなーい」


「……うるさい」



迷惑そうにそう言った部長は、そのままパソコンに向き直った。



ちょっと古そうなパソコンは、部室に備え付けられてるものなんだと思う。


カタカタしたキーボードの音が、あたしの話をシャットダウンするみたいに響き出した。



「てゆーか、文芸部ってそもそも何やってるの?」


「……あんた、それ知らないで来たの?」



あたしの言葉が予想外だったのか、部長が手を止めてあたしを見た。



少し睨まれてる気がするのは、気のせいじゃないと思う。



「あー……まぁ良いじゃん! あ、部誌を作るとか?」


「作ってる。発行は年に2回。創立記念日と3年生の卒業に合わせて部誌を作るのが、ここの伝統」


「ふーん、発表会みたいなのは?」
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