2年3組乙女事情
「ないよ。一応、図書室に置いてもらって自由に読んでもらえるようにしてあるけど」
「そうなんだ。知らなかった」
静かに頷いてそう言ったあたしを見て、部長が深い溜息を落とした。
「……本当、何でここに来たのよ、あんた」
赤いフレームの奥で、部長の目が細くなる。
「だーかーらっ! 青春したかったの!」
「だーかーら、来る場所間違ってるって!」
大きな声でそう言うと、部長は溜息も吐かないでパソコンに向き直った。
あたしまで溜息を洩らしたくなるような部長とのやりとりは、こんな感じで毎日続いた。
てゆーか、あたしが続けた。
「また来たの!?」
「当たり前でしょ!」
から始まって……
「気が散る」
「毎日来るって言ったでしょ!?」
みたいなあたしだけテンション高めなやり取りをして……
「女子高生が青春を求めて何が悪いの!?」
「文芸部に求められても困るわ!」
なんて、ときどき部長のファンキーさを引っ張りだしてみたりして……。
2人しかいない後輩と、サボり常習犯の副部長も初めはびっくりしてたけど
知らないうちにあたし達のやり取りをBGMにする技を習得したらしくて、今では涼しい顔でパソコンをカタカタさせたり、本を読んだりしていた。
「そうなんだ。知らなかった」
静かに頷いてそう言ったあたしを見て、部長が深い溜息を落とした。
「……本当、何でここに来たのよ、あんた」
赤いフレームの奥で、部長の目が細くなる。
「だーかーらっ! 青春したかったの!」
「だーかーら、来る場所間違ってるって!」
大きな声でそう言うと、部長は溜息も吐かないでパソコンに向き直った。
あたしまで溜息を洩らしたくなるような部長とのやりとりは、こんな感じで毎日続いた。
てゆーか、あたしが続けた。
「また来たの!?」
「当たり前でしょ!」
から始まって……
「気が散る」
「毎日来るって言ったでしょ!?」
みたいなあたしだけテンション高めなやり取りをして……
「女子高生が青春を求めて何が悪いの!?」
「文芸部に求められても困るわ!」
なんて、ときどき部長のファンキーさを引っ張りだしてみたりして……。
2人しかいない後輩と、サボり常習犯の副部長も初めはびっくりしてたけど
知らないうちにあたし達のやり取りをBGMにする技を習得したらしくて、今では涼しい顔でパソコンをカタカタさせたり、本を読んだりしていた。