2年3組乙女事情

「それで、あたしを入部させる気になった?」


「なるわけないでしょ」


「えぇー!?」



開口一番にそう言ったあたしを、部長がばっさり切り捨てた。



何となく調子に乗って思いっきり頬を膨らませたあたしを見て、大げさに溜息まで吐いてくれちゃってる。



「もうこんなにも部室に馴染んでるんだよ?あたしも十分文芸部の構成要素になってるじゃない!」



今だって、部室にいるのは部長と杉野さんとあたしの3人だ。


そう考えると少なくとも、あたしは副部長より部員っぽい気がする。



「なってない!大体ね、何でこんな中途半端な時期にいきなり青春を求め始めたのか説明されてないんだけど!
もう11月だよ?あと1年4ヶ月で私達は卒業だよ?高校生活半分以上過ぎてからなんて奇妙でしょ」


「うーん……、奇妙?」


「奇妙! 玲ちゃんもそう思うでしょ?」



いきなり話をふられた杉野さんが、軽く首を傾げながら顔を上げた。



「あー……、まぁ、ね。横岩さんって、あんまりクラスの子達と一緒にいるイメージもないし。
部活に入ろうとするなんて意外かも」



さらっとそう言った杉野さんの言葉を聞いて、部長が思いっきり目を見開く。



「そうなの?」
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