2年3組乙女事情
そう言ってにやりと笑うと、部長が大きな息を落とした。
「……もう勝手にしたら?」
「へ?」
「認めれば良いんでしょ。入部」
しぶしぶ。
そんなニュアンスでそう言った部長の両肩を思わずつかむ。
「本当? 良いの!?」
そんなあたしの行動にびっくりしたのか、部長は少し目を見開いてから表情を引き締めた。
「ただし!ちゃんと引退まで毎日部室に来ることと、とびっきりの青春小説か青春エッセイを1つ以上完成させることが入部の条件だから」
「青春小説か、青春エッセイ……」
「……玲ちゃんも、いろいろ協力してあげて」
呟いたあたしから体をそらして、部長が杉野さんを振り返る。
「うん。わかった」
やわらかくそう言った杉野さんを見たら、すごく綺麗に微笑んでくれた。
「良かったね、横岩さん」
「うん!」
思いっきり頷いたあたしを見て、目の前の部長も少し笑ってる。
何か……これってものすごく青春っぽいんじゃない?
あたしでも、やればできるんだ……――――
そう思ったとたんに何だかとてつもなく嬉しくなって……
思わず部長に抱き着くと、迷惑そうな顔をしながらゆっくりと両腕をはがされた。
……あら?