2年3組乙女事情

「ねぇ、部長! 小説ってどう書くの?」


「思ったことそのまま書けば良いんじゃない?」


「思ったことそのままって言われても困るよー。具体的には?」


「それくらい自分で考えなさいよ」



あたしは、パソコンをカタカタさせる部長のそばにしゃがみ込んだ。



上目使いで聞いてみるけど、部長はそんなあたしに見向きもしないでパソコンをカタカタさせている。



「ねぇ、部長! 何か青春っぽいことしようよ!ネタが足りなくて小説もエッセイも書けないの」



両手で軽く部長の腕をつかんで、ゆすってみる。



そのせいで上手くカタカタできなかったのか、部長はあたしを見下ろして睨みつけた。



これは……


こういうお面、博物館とか美術館の日本コーナーにありそうだ。



「部長、眉間にしわ寄ってるよ? もっと青春した方が良いんじゃない?」


「……やっぱり出てけっ!」


「もう入部届出しちゃったもーん」


「はぁぁぁ……」



深すぎる溜息に、あたしは思わず笑った。

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