2年3組乙女事情
20番 和田はつひ
『あー……、和田さん?出席日数や進級のことでお話があるので連絡しました。都合が悪いようなので、また連絡します。
忙しいとは思うけど、ちゃんと学校にも来て下さいね』
「はーい! じゃあ、一旦終了で!」
明るく響いたその言葉で、周りの空気がぽんっと入れ替わる。
それを確認してから、わたしは思わず息をついた。
「はーちゃん! 次は帽子をかぶってみようか?」
「わかりました。お願いします」
受け取った帽子を、そのまま頭に乗せる。
メイクを直したり、写真のチェックをしたり、……
もろもろの作業が終わった頃、また声がかけられた。
「はーちゃん、準備OK?」
「OKです。よろしくお願いしまーす!」
微笑みながら頷いたわたしは、100%の笑顔をまとってスポットライトの中に飛び込んだ――――
――――休憩時間。
わたしはケータイを耳に当てながら、思わず溜息を吐いた。
テストもギリギリ突破したし、何とかなると思ってたんだけど……
さすがに学校に行かないのはよくなかったらしい。
「はぁぁぁ……」