2年3組乙女事情
「うーん、学校に来られる日数は減ったかも。テストは頑張って受けるようにしてるけど」
「確かに、和田さんってあんまり学校来てないよね。いつも机空いてるし。それなのにテストできちゃうってのもすごいけど」
苦笑いをする横岩さんに、部長さんが冷やかな視線を送る。
「理沙には無理そう」
「部長うるさい」
2人のテンポのいいやり取りが面白くて、わたしは思わず、小さく笑った。
「いつも、こんなところでご飯食べてるの?」
眉間にしわを寄せながら言う横岩さんに、小さく頷く。
「もったいなーい!これじゃあ、せっかくの青春が台無しだよ?」
「さっきから、“青春”って……」
「あー気にしないで、この子、青春バカだから」
「青春バカ……?」
「バカってひどい!」
バカのジャンルにそんなのあるんだ……。
思わずつぶやいたわたしにゆっくり頷く部長さんを見て、横岩さんが冷たい視線を送った。
「あのね、ここ、文芸部の部室なの。あたしも最近入部してね。最近はいつも、ここでお昼食べてるの!3組だと、今日はいないけど杉野玲ちゃんもいるし。
狭いけど結構快適だから、今度からは一緒にここで食べようよ!」
「狭いけどっていうのは余計じゃない?」
「でも本当のことでしょー?」
わたしが口をはさむすきなんてないくらいに、2人の会話はぽんぽんと続いた。
こんな雰囲気の中にわたしが入ることなんて……
きっと無理だと思う。