2年3組乙女事情

「ねぇ、面倒だからこのまま授業サボっちゃうのはどう?これも青春じゃない?」



明るい声を出した横岩さんの言葉に、思わず喉をつまらせそうになった。



隣では、部長さんが大げさに溜息をついてる。


赤いフレームの真ん中をきっちりおさえてから、部長さんが口を開いた。



「青春を言い訳にすれば何でもできると思ってるなら大間違いだから。サボるなら1人でサボって、1人で怒られて」


「うん。わたしも出席日数ヤバいし、それには賛成できないや」



苦笑いを返すと、横岩さんも小さく笑った。


それを見て、部長さんがまた溜息を落とす。



わたしは、頬をゆるめながら最後のおかずを口に運んだ。





私立、カメリア女子学院高校。



ピンクのチェックが可愛いスカートと、椿をモチーフにした校章でも有名なこの学校に通いながら好きなお仕事までできるわたしは、もしかしたら結構な幸せ者なのかもしれない。



うん。 学校も、なかなか悪くないかも。




これからは、2年3組の教室の一番後ろ、一番廊下側のあの席をできるだけ空けないようにしよう。


不登校気味の問題児は、今日でもう、卒業するんだ!



あ、ちなみに。



新しく友達ができて、別の面での問題児になるかもしれないっていうのは……



また、別のお話。





~20番 和田はつひ END~
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