2年3組乙女事情
「雨宮さん! 何なの!!?その耳は!」
「ピアス開けたの。可愛いでしょ?」
次の日。
当たり前のように校門で呼び止められた。
くすんだピンクのフレームの眼鏡をかけたおばさん先生は、ウチのクラスの担任だ。
肩の辺りががっしりとした紺色のスーツは、いつ流行ったものなのかわからない。
わかりやすいくらいに、あたしのなりたくないおばさん像ナンバーワンなのが先生だ。
「開けた……ってあなた、そんなみっともない!
そんなことをして遊んでる暇なんてないでしょう! 今は学生として勉学に……」
「それ、学年1位のあたしに言う台詞?」
おばさんが喚いてる最中だったけど、わざと笑顔で言い返して校舎へ向かった。
髪は茶色だし、ゆるくパーマもかけてる。
ナチュラルに見えるメイクだって、肌を整えるところからしっかりとやる。
リア女名物の薄いピンクのチェックスカートも、他の子よりは短いかもしれない。
でも、それと勉強とは別問題。
学年1位の成績を、手放すつもりは全くない。
大学に行けずにニート……なんて、絶対に嫌だし。
だから、今しかできないお洒落も、今やらなきゃいけない勉強も、全力でやる。
それが、あたしのモットー。
そんなわけで、お洒落も捨てられないあたしは、唯一バイトが早く終わる昨日、祐貴に頼んでピアスの穴を開けてもらった。
遊び人風のあたしと、真面目なスポーツ少女の祐貴。
幼馴染でクラスメートのあたしたちだけど、学校では話をしないようにしてる。
どう考えたって、それが祐貴のためでしょ?
気付いたら出来上がっていたこの習慣は、きっとこれからも変わることはない。
「ピアス開けたの。可愛いでしょ?」
次の日。
当たり前のように校門で呼び止められた。
くすんだピンクのフレームの眼鏡をかけたおばさん先生は、ウチのクラスの担任だ。
肩の辺りががっしりとした紺色のスーツは、いつ流行ったものなのかわからない。
わかりやすいくらいに、あたしのなりたくないおばさん像ナンバーワンなのが先生だ。
「開けた……ってあなた、そんなみっともない!
そんなことをして遊んでる暇なんてないでしょう! 今は学生として勉学に……」
「それ、学年1位のあたしに言う台詞?」
おばさんが喚いてる最中だったけど、わざと笑顔で言い返して校舎へ向かった。
髪は茶色だし、ゆるくパーマもかけてる。
ナチュラルに見えるメイクだって、肌を整えるところからしっかりとやる。
リア女名物の薄いピンクのチェックスカートも、他の子よりは短いかもしれない。
でも、それと勉強とは別問題。
学年1位の成績を、手放すつもりは全くない。
大学に行けずにニート……なんて、絶対に嫌だし。
だから、今しかできないお洒落も、今やらなきゃいけない勉強も、全力でやる。
それが、あたしのモットー。
そんなわけで、お洒落も捨てられないあたしは、唯一バイトが早く終わる昨日、祐貴に頼んでピアスの穴を開けてもらった。
遊び人風のあたしと、真面目なスポーツ少女の祐貴。
幼馴染でクラスメートのあたしたちだけど、学校では話をしないようにしてる。
どう考えたって、それが祐貴のためでしょ?
気付いたら出来上がっていたこの習慣は、きっとこれからも変わることはない。