2年3組乙女事情
「じゃあ、あたしは本当に勘違いしてたってこと?」
「だからそう言ったじゃん。
別れるって言ったの、取り消してくれる?」
彰宏が、真剣な顔でそう言った。
よく見ると、知美ちゃんの手にある袋には、柔道着も入ってる。
「ごめんね、彰宏。それに、知美ちゃんも。
ちゃんと確認しなかったあたしもいけなかったよね。
……別れるなんて、もう言わないから」
そう言って彰宏を見ると、彼は今までに見たことがないくらい眩しく、にっこりと笑ってた。
「良かったぁ!
じゃあ、果歩。今日は久しぶりに家まで送ってくよ!」
そう言ってくれた彰宏の腕に、あたしは迷わず抱きついた。
そんなあたしを見て、瑛梨奈ちゃんと亜希帆ちゃんは呆れたみたいに笑ってる。
ねぇ、彰宏。
あたし達は、ちゃんと話してるつもりで、話してなかったよね。
お互いの行動。
お互いの気持ち。
もちろん、全部を話しちゃえばいいってものじゃない。
でも、必要な話題をちゃんと選んで、必要な時間をちゃんと割いて話し合えば、きっと今回みたいなことにはならなかったんだ。
「これからもよろしくね、彰宏!」
「うん。でも何?急に」
「別にー!何でもなぁいっ!」
夕暮れの1本道に、2人の影が楽しそうに揺れた。
〜3番 木原果歩 END〜
「だからそう言ったじゃん。
別れるって言ったの、取り消してくれる?」
彰宏が、真剣な顔でそう言った。
よく見ると、知美ちゃんの手にある袋には、柔道着も入ってる。
「ごめんね、彰宏。それに、知美ちゃんも。
ちゃんと確認しなかったあたしもいけなかったよね。
……別れるなんて、もう言わないから」
そう言って彰宏を見ると、彼は今までに見たことがないくらい眩しく、にっこりと笑ってた。
「良かったぁ!
じゃあ、果歩。今日は久しぶりに家まで送ってくよ!」
そう言ってくれた彰宏の腕に、あたしは迷わず抱きついた。
そんなあたしを見て、瑛梨奈ちゃんと亜希帆ちゃんは呆れたみたいに笑ってる。
ねぇ、彰宏。
あたし達は、ちゃんと話してるつもりで、話してなかったよね。
お互いの行動。
お互いの気持ち。
もちろん、全部を話しちゃえばいいってものじゃない。
でも、必要な話題をちゃんと選んで、必要な時間をちゃんと割いて話し合えば、きっと今回みたいなことにはならなかったんだ。
「これからもよろしくね、彰宏!」
「うん。でも何?急に」
「別にー!何でもなぁいっ!」
夕暮れの1本道に、2人の影が楽しそうに揺れた。
〜3番 木原果歩 END〜