2年3組乙女事情
「じゃあ、行っちゃえばいいじゃない!
あたしだって、芽依と一緒の方が楽しいし!」


「うーん……。
でも、ママがOKを出してくれるようには思えないんだもん。
今回は料理も作らなきゃいけないしさ、怪我がどーとかって絶対許してくれないよ」



先生に突き返された書類をぱこぱこと動かしながら、私ははぁ、と溜め息を吐いた。



「あぁー!もうっ!!
芽依に任せてたら何日あってもお母さんを説得できないわよ!
芽依、今日あたしが芽依の家に行って、一緒にお母さんを説得してあげるわ」


「いいけど……。
舞花、私は嬉しいんだけど、うちのママ、舞花にひどいこと言うかもしれないよ?」



ピアノのことに関してぱママは鬼のように厳しくなる。


日曜日に私を遊びに誘った舞花に、「芽依は舞花ちゃんと違って真剣にピアノをやってるから、そんな風にふらついてる暇はない」なんて言ったこともあるくらい。



「そのくらいもう慣れたわよ。
心配しないで!
今日は学校が終わったらすぐに芽依の家に行かなくちゃね!」



ありがとね、舞花。



そんな気持ちを込めて、私はしっかり頷いた。
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