2年3組乙女事情
びっくりして振り返ると、同じクラスの峯岸美海[みねぎし みみ]がいた。
「何? あたしバイトがあるから、手短にね」
「それ、似合ってないよ」
「えっ?」
いきなり呼び止められて、何を言いだすのかと思えば……。
峯岸美海の指は、まっすぐにあたしの耳を指していた。
「学級委員のお説教だったら聞きたくないんだけど」
真面目で、勉強もできて、おしとやかだからって理由で、峯岸美海は去年から有名だった。
成績は毎回あたしの次。
でも、あたしと違って性格が良いから、学級委員に抜擢される。
しかも、彼女はそれを断らない。
そんな真面目な学級委員が、あたしのピアスを注意してくるのには納得できる。
「説教じゃないよ。そーゆーの面倒だし。似合わないから似合わないって言っただけ」
そこまで言うと、彼女はあたしの横を通り過ぎた。
そのまま出ていくのかと思ったら、ドアのところでこっちを振り返る。
「雨宮さんに水色は似合わないよ。ピンクが似合うと思う。可愛らしくて」
言い捨てた彼女がいなくなったドアの辺りを、あたしは無言で見つめた。
……何で、いきなりそんな話をするわけ?
夕日に反射して光る、丸くてキラキラした水色のピアスが、少しだけバカみたいに思えた。
「何? あたしバイトがあるから、手短にね」
「それ、似合ってないよ」
「えっ?」
いきなり呼び止められて、何を言いだすのかと思えば……。
峯岸美海の指は、まっすぐにあたしの耳を指していた。
「学級委員のお説教だったら聞きたくないんだけど」
真面目で、勉強もできて、おしとやかだからって理由で、峯岸美海は去年から有名だった。
成績は毎回あたしの次。
でも、あたしと違って性格が良いから、学級委員に抜擢される。
しかも、彼女はそれを断らない。
そんな真面目な学級委員が、あたしのピアスを注意してくるのには納得できる。
「説教じゃないよ。そーゆーの面倒だし。似合わないから似合わないって言っただけ」
そこまで言うと、彼女はあたしの横を通り過ぎた。
そのまま出ていくのかと思ったら、ドアのところでこっちを振り返る。
「雨宮さんに水色は似合わないよ。ピンクが似合うと思う。可愛らしくて」
言い捨てた彼女がいなくなったドアの辺りを、あたしは無言で見つめた。
……何で、いきなりそんな話をするわけ?
夕日に反射して光る、丸くてキラキラした水色のピアスが、少しだけバカみたいに思えた。