2年3組乙女事情
しわしわで、困ったような顔の亨。

吸い込まれたみたいに見てる自分に気付くと、ちょっと恥ずかしくなった。



……あ、何か言わなきゃいけないんだっけ?



「好き……かも?」


「え?」


「何かね、亨といると楽しくて、どきどきして、恥ずかしくて、面白い」


「何だよ、それ」



そう言うと、亨は顔をしわしわにして笑った。



「俺の気持ちがわかったってこと?」


「え?わかんないよ、そんなの。
黙っちゃいけないって言われたから思ったこと言ってみた」



ますます顔を緩めた亨。

一緒に、あたしの頭に片手が移動した。



「やっぱ鈍感だわ、玲は」


「そんなことない」


「そんなことある」



力強くそう言い切ると、亨は軽くあたしの唇を塞いだ。
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