2年3組乙女事情
「それでさっ!どんな人なの?」


「え……結局聞くの?」


「もちろんでしょ!ね、チカも気になるでしょ?」


「はいはい。そうだなーじゃあ……出会いは?」


「それ良い質問っ!」



今日は、修学旅行の1日目。


全部の日程が終わって

後は寝るだけ、のはずの午後11時30分。


いつも一緒にいる3人組で使うこの部屋は

眠りにつくまでまだまだ時間がかかりそうだ。



だってね

迷惑かな……?

とは思うけど、やっぱり夜のガールズトークは面白いし、やめられないから。


みんながどんな考え方をしてて

どんな経験をしてるのか。


聞いてるとあたしまできゅんとしちゃうし、悲しくもなっちゃう。



何か、少女漫画を読む感覚に似てるかもね。



「彼氏……は、幼なじみなの」


「へぇー、名前はっ?」


「え、亨……」


「亨くんかぁ……。幼なじみってことは、もともと仲良かったってことだよね!?」


「う、うん」



佐奈の質問攻めに戸惑う杉野さんが、少し戸惑って見えた。


よく一緒にいるあたし達だけど、性格は結構バラバラなんだ。



「じゃあさじゃあさっ!どっちから告白したの??」


「えぇ!?そんなことも話すの?」


「あったりまえでしょー!ねぇ?」



同意を求めて、佐奈があたしを見る。


普段は大人しいってよく言われるあたしも、今は封印しなくちゃ!



「で、告白はどっちから??」



あたしはまた、ガールズトークに加わった。
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